日頃から、困ったものだとは思っていた。
だけど、その現状を変えられるほどの答えは持っていない。
ただ出来るのは・・・・。
ハカリゴト。。。。。
「はあーーーー」
何度目のため息だろう。
私はなぜここにいるのか?
私の選択は本当にこれで良かったのだろうか?
いまさらながら、自分の犯した事柄の大きさに慄く。
「っくっくっくっ・・・・」
銀色の滑らかな髪が揺れる。
「なっなんですか?」
「失礼。・・・いや・・ただ、あなたも苦労人だと・・・・」
笑いを堪えながら彼は言う。
顔が真っ赤に染まるのを感じる。
「も、持ちかけたのはあなたでしょう///!」
「しかし、受けると決めたのはあなたですよ」
「それは・・・そうですけど・・・・」
深々とため息をつく。
心に過ぎる不安の影は
離れたところから僅かにもれ聞こえる楽しげな笑い声で
より深みを増してゆく。
黙って何度もパレスを抜け出されるのはホトホト困る。
だからといって、プリンセス(マスター)の行動を認めるわけにもいかない。
マーズやヴィーナス(クンツァイト)の様に強くも言えない。
自分たちに出来るのはただこれだけ。
見守るということ。
その結果が、コレ。
ことの始まりは一ヶ月程、前のこと。
持ちかけたのは、ゾイサイト。
使者からの書簡。
それだけでも驚いたのに、内容に唖然とした。
最初は 断ったり
申し訳ないと感じながらも
無視・・・をしていた。
そうする間も
だんだんとエスカレートして行く
プリンセスの行動に
負けずと何度も
説得の手紙を送られることに
そんなに悪いこととは思えなくなっていた。
いま 後悔が波のように押し寄せる。
何度目だろう?
もう口からは ため息しか出てこない。
「チェスってご存知ですか?」
「はぁ。それがなにか」
「こうしているのもお互い退屈でしょう?」
「私はそんなこと、ありませんっ」
「そう言わずに、マーキュリー殿、あなたもかなりの策士と伺う。手合わせ願えませんか?」
ここじゃ満足に楽しめる相手が居ないのです
僅かに悲しげな表情をして
俯いてしまった。
確かに
それは私も一緒だった。
日々 挑戦を挑んでくるものがいても
相手になるような人はいなくて
退屈を感じていた。
ただの退屈凌ぎ。
地球のプレーンがどれくらいの
力を持っているか確かめるだけ・・・。
ほんの少し・・・だけ。
「分かりました。ですが、“仕方なく”ですからねっ」
その言葉に
ゾイサイトの口角が僅かに上がる。
「では、お手合わせ願います」
何時の間に
用意していたのか
駒をそろえたボードが目の前に出される。
マーキュリーは
“これは誘いに乗るフリよ”
そう何度も言い聞かせ
用意された駒に手を伸ばした――――。
「ねぇ、マーキュリー?そろそろ帰らない?日も暮れて来たし・・・」
「ゾイサイトもいい加減にしないか・・・」
話しかける二人に目もくれず
互いの手を探りあう。
真剣に戦いを続ける二人を見ながら
エンディミオンとセレニティは
お互い困ったように顔を見合わせる。
彼らの勝負にひと段落付いたのは
それから
1時間は経った後のこと・・・。
その後
ゾイサイト、マーキュリーが
付き添いを理由に
何度も戦いを繰り返す姿が見えたとか見えないとか・・・・。
アトガキ
亜美ちゃんが、ラブレター恐怖症になった本当の理由・・・・ナンチャッテ
ちなみにここの四天王の設定は実写メインです