The True Meaning of “F4”?
“F4”―――――それを意味することは
いつからか変わってしまった・・・・。
東京都某所にある 英徳学園
その構内に歓喜の声が再び挙がるようになったのは
ここ数年のこと。
アメリカ帰りの少女は 見たこともない状況に愕然とする。
それなりに裕福な家庭だと思っていた。
家には複数の使用人もいるし お嬢様と呼ばれ育った。
自分の容姿も悪くは無いと
いや、むしろ自慢できるものだと思っていた。
周りに持て囃される事が当たり前だと信じていた彼女にとって
新しく出来たこの環境は
そう簡単に信じられるものではなかった。
校門をくぐるとずらりと並んだ
大勢の生徒の姿が見える。
転校初日、何処で私の情報を手に入れたのだろうと、
自然と笑みが零れた。
母もこの学園の卒業生だった。
小さい頃からこの学園のすばらしさ、伝説の存在の話を聞かされ育った。
だけど 違ったのだ。
人ごみが求めていたのは
私じゃなかった。
道を空けなさいよ!!
ヒステリー気味な声が耳に届いたかと思うと
腕をつかまれ端に寄せられた。
転校初日の扱いとしては 酷すぎる!
私を誰だと思っているのよ!!
そう思っていると。
一気に歓声が沸きあがり
二つに分かれた人ごみの中から現れたのは
思わず見とれてしまうほどの
美しい4人組。
歓声の上がる中
私なら間違いなく 芸能人のように
笑顔で手を振り、歩くことを容易に想像が出来た。
先頭を歩くのは
落ちないのが不思議なくらいの大きな瞳とくるくると巻いた黒髪が印象的な
ドウミョウジ アヤメさん。
表情豊かに 見るものを引き込む笑顔とスタイル抜群の
ミマサカ ランさん。
大和撫子、この言葉がこれほどまでに似合う人はいないと思わせる
ニシカド キキョウさん。
そして
色素の薄い髪が美しく 少し送れて歩く姿からおっとりとした印象を受ける
ハナザワ カスミさん。
近くにいた人に彼女たちは何者かと聞くと
知らないなんて 信じられないとばかりに
ご丁寧に教えてくれた。
彼女たちが 有名な“F4”だと。
花の名前を持った美しい4人組・・・Flower4、それが“F4”だと。
私はびっくりして 思わず大きな声で
“F4”は 他にもいるでしょう?
だって私はその人たちに会うために
後輩になる為に ここに転校したのよ!!
そういうと、私の近くの子達は一斉に振り向き
あっという間に囲まれて
“F4”は彼女たちだけだと
当たり前のように 私が おかしいかのように
言葉が返ってきた。
そうして、私は 唖然とすることになる。
だけど
それと共に
秘密を持ってしまった。
皆が振り返って視線の削がれたその奥で
あの花の名の少女たちが
私に向かって サインを送っていたのだ。
ここにいる人たちは 知らない
“F4”―――それは 花の名前を持った彼女たちが初代じゃないことを
本当の“F4”は彼女たちの 父親を指すことを。
ここでは 今までどおりの注目を集めることが
出来ないと悟った少女は
あまり知られていない真実に
また違った楽しみを見つけることになる。
The True Meaning of “F4”?
“F4”―――――本当の意味を知っているかい?
アトガキ
お遊び感覚で書き上げた一品。
彼女たちは どこかでまた登場する予定です。
いつになるかは分かりませんが・・・。
花の名前を見つけるのが意外と大変でした。
桜/楓/椿/百合/つくし・・・と結構いるんですよね。